悲痛な叫びのようなタイトルです。その気持ちは、とってもよくわかります。
著者は、大分県に生まれ、学生時代は山岳部、そして現在は、長野県南アルプス赤石岳のふもと大鹿村に住んでいるといいます。
本書の中では、おもに
ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、九州のツキノワグマ
といういわゆる『絶滅した』とされる幻の動物を追う。
まぼろし動物探索隊、みたいな拍子です。
じつは、わたし、学生時代、ニホンオオカミの痕跡をたずねて、奈良・和歌山あたりの大台山中をひとりで歩いたことがありました。野宿もし、お寺の宿坊にも一泊しました。
あのときのお弁当。衝撃的だったなあ。
朝、出発の時に持たせてもらったのが、日の丸弁当に、きゃらぶき。これがおいしかった。
そもそも、なぜ、ニホンオオカミに憧れをもったかというと、国立科学博物館と、東大農学部の博物館でニホンオオカミの剥製を目にしたのでした。
しかし、どうも、情けない剥製で。オオカミならもっと凛々しいはずと思っていたら、秩父の三峰神社の狛犬がなんとニホンオオカミらしいということを読んだのでした。
秩父といえば、東大農学部林学科の演習林があり、そこに夏の2週間ほどを実習として行ったという経緯もあり、勝手ながら身近に感じてもいました。
そんな絶滅したであろうニホンオオカミについての、楽しそうなこの本。
ちょっとややこしいけど、なかなか楽しい本です。
絶滅したであろう動物をめぐって右往左往する人間たちの様子が楽しいのです。
夢のある本でもあります。