タリバン復権の真実

このところ、ウクライナからの報道に接するにつけ、それが写真や動画をともなっていても、どちらからの真実なのか、いやいや、そもそも、事実なのか、考え込んでしまいます。

それは、一方の当事者でもあるロシアの側からのフェイクを示唆する発言なども、その真偽はともかくとしても、考え込んでしまう。

本書により、2021年の8月15日、カブールへの無血入城をせざるを得なかったらしいタリバンについて、あらためて伝えてくれるのです。

当時の報道では、撤退した米国にかわり政権を握ったタリバン政権により、女性たちの人権がまもられないのでは、というようにとることができた・・。

ただ、それに先立って、亡くなった中村哲さんの報告や本を読んでいたので、違う見方があっただろうということも私の中にあった・・。

それで、本書が図書館の新刊の棚にあったことから、手にとることにしたわけです。

実際のところ

いったい、タリバンってどういう存在なのだろう。

アフガンの人々にとって、ガニ政権とタリバン政権、どちらを望んでいるのだろう。

もちろん、すべての人が、同じではないだろうことは、想像できるけど。

冒頭の、8月15日、なぜ、タリバンがカブールに入っていったのか、その裏の事情も、報道で知っていることとかなり異なる。

そもそも、米軍とガニ政権がカブールを投げ出さなければ、カブール入城はなかったともいうのです。

・・・これは、いったい、どういうことなんでしょう。

本書の筆者は、2010年から数度にわたってアフガニスタンに行き、さまざまな立場の人たちと交流していることで、少なくとも、報道でしかわからない私とは違う立場で伝えてくれるのです。

驚くべきは、タリバン政権の顔ぶれです。

これは、本書をお読みいただくのがいいわけですが、ざっと書くと、神学校出身のイスラーム学者がほとんどのようです。

さらにいうならば、いわゆる民主主義は、どうとらえられるかも、本書を読んで驚きました。

とりいそぎ、本書の第2章はとばして、内藤正典氏の「解説」に進みました。

ここで、あらためて「8月15日」に起きたことを知らされます。

まずは、このあたりの「誤解」からスタートしたいと感じました。

ついでながら、第1章73ページには、写真つきで中村哲さんのことばも載っています。

ぜひ、ご一読いただきたいとおもうところです。

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